独学パン屋の開業日誌

35歳で脱サラしてパン屋を開業しました。独学でパンを勉強し、自宅を改装して初期投資を極限まで抑え パン屋を一人で経営しています。

バゲットの気泡をボコボコにクープもきれいに開く作り方 その4

バゲットの気泡をボコボコにクープもきれいに開く作り方 その3

の注意点を、深堀していきたいと思います。

独学でのコツですのでかなり主観が入りますがご理解ください。

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自家製酵母のバゲットの作り方、ココを抑えれば間違いない

自家製酵母のバゲットはパンの中でも一番難しいパンになります。10年ぐらい自己流で自家製酵母のバゲットを作っていますが、今でも新しい発見があるほどです。今から教える必ず押さえない解けないポイント5項目のうち、1項目でもミスがあると完璧なバゲットになりません。例えばイーストのバゲットだと2か所ミスしても形にはなるんですよね。それほど気を抜けない難しいパンです。

1.温度管理

捏上げ温度

まずは「捏上げ温度」ですね。小難しい計算方法が巷に溢れていますが、自分のレシピの場合、ほとんど捏ねないバゲットですので、粉、水、塩、モルトエキス、元種を粉っぽさが無くなるまで混ぜます。塩、モルトエキスは少量なので常温。元種、粉は温度を上げづらいので冷たいようでしたら、水温を上げて調整してください。短時間かつあまり混ぜないので気温に左右されず生地温度はほぼ上がりません。調整して26~29℃前後で仕上げます。

発酵温度

28℃湿度60~70%が酵母が元気に発酵できる温度、湿度なのは間違いありません。ですが一般家庭にきちんと温度湿度管理できるホイロなんてありません。そこで春夏秋冬一年中通して失敗しない方法を伝授します。

 

コツ1:30℃以上には絶対しない

絶対30℃以上で発酵しないでください。(2次発酵は除く)何故かというと酸っぱくなるからです。自分も酸っぱいパンは好きですが過発酵での酸味は好きになれません。30℃を超えると酢酸菌が増え、どうしても酸っぱいパンになってしまいます。更に自家製酵母は発酵力が弱いのでそこで力を使いたくありません。今後その力を取っておきたいのです。(焼成時に膨らまないパンになる)

 

コツ2:25℃以下でも大丈夫

冬場など温度が低い時はどうしても、高温(28℃)を維持することは難しいです。でも大丈夫です。20~25℃くらいで(20℃以下にはならないようにしましょう。)発酵していたとします。ですが時間になっても自分が目指しているところまで膨らんでいない。ならば気長にその自分が分かっているベストな発酵完了タイミングまで気長に待ちましょう。高温で生地を傷めるより成功率はあがります

 

2.捏ね(ミキシング)

捏ねる方法は色々ありますが、自分のやり方はほとんど捏ねずにパンチで力を付けていく方法です。粉っぽさが無くなる程度に混ぜます。ホイロ同様、一般家庭にはパンミキサーなんてありません。この手で混ぜる方法は高い道具が必要ないのが魅力ですよね。

 

3.パンチ

自分のレシピだと生地はゆるめです。折りたたむというより軽くまとめて表面をきれいにする程度で大丈夫です。この方法で短時間に2回パンチして、コシ(力)をつけていきます。

 

4.分割・成型

これから先の作業は最短の手順で進めるほど上手く仕上がります。生地には最低限しか触らないようにしましょう。触りすぎて気泡をつぶしてはいけません。イースト使用の生地でしたらガスを抜きながら成型しても2次発酵で膨らみますが、自家製酵母は気泡を完全につぶしてしまうと、のっぺりなバゲットになってしまいます。

 

5.クープ

1~4まで間違いなく進めていれば2次発酵でしっかり膨らみ、ナイフが入れやすいピンッと張った生地になっています。クープを引くコツとは・・・これまでの手順が間違いなければ自然と引けます。逆に汚いクープしか引けない場合はここまでの仕込みのどこかにミスがあります。

 

まとめ

自家製酵母のバゲットの抑えるポイントを5項目に分けて深堀してきましたが、すべての過程で生地の状態をよく観察するのが重要です。その状態をよく覚えておき(履歴に残す)次の課題にする。その繰り返しで自然と身に付くと思います。皆さんも頑張って美しい美味しいバゲットを作ってみてください。