【レシピ】しっとりもちもちが長期間続く湯種の効果とは
保存料や添加剤を一切使用していないパンは時間の経過とともに固くなります。これは自然な事で水分が蒸発して固くなるのは当たり前です。逆に長時間経過してもしっとり水分が失われていないものは添加物をたっぷり使っているパンだと思っていいです。添加物を使わずに長時間経過しても水分が失われない、しっとりもちもちのパンを作る方法があります。それは湯種を使う方法です。
湯種とは
小麦粉を熱湯でこねて小麦の澱粉を糊化(アルファー化)させたものを湯種と言います。湯種を使ったパンは老化を遅れさせる効果があり水分の蒸発が抑えられ(保湿性の高いパンになる)美味しい状態を長く保つ事が出来ます。その他にも小麦本来の香り甘味旨味をより感じられます。
湯種の作り方
湯種の作り方は色々ありますが大きく分けますと固め、柔らかめの2種類あります。共通の注意点ですが粗熱が取れた後にラップで包みましょう。その後冷蔵庫で6時間以上冷ましたら使用できます。粗熱が取れる前に包んでしまうと水蒸気でべちゃべちゃになりますので気を付けましょう。
- A 粉1:熱湯1 固め
- B 粉1:熱湯2 柔らかめ
Aの湯種の特徴
水分が少ないので手で持ってもくっつきません。
Bの湯種の特徴
水分が多いので柔らかめの餅みたいな状態です。手にまとわりつき糊に近い状態です。とても扱いづらいです。
Aの湯種を使ったパンの特徴
しっかり膨らみちょうど良い水分量で食べやすいパンになります。2日間はトーストしないで生のまま食べられる状態です。当店のパンはこの比率の湯種を使用しています。
Bの湯種を使ったパンの特徴
Aと比べしっとりもちもち感がとても強く老化しづらいです。良いことづくめですが、より糊化しているのでパンが膨らみづらくなります。しかも焼き上がり後しぼみ易くなり扱いが難しいです。しっとりもちもち感は上がりますが作る難易度も上がります。
まとめ
一見水分が多い湯種の方がしっとりもちもち感が上がっていいじゃないか。と思いますが、それが行き過ぎると食べた時にパンがつぶれるようなネチャっとした感じが出てしまいます。しぼんで目が締まった口当たりの悪いパンになる可能性も秘めています。更に水分が多いほど成功率も落ちていきます。
当店は扱いやすい粉1:熱湯1の比率で作っています。美味しさも口当たりも丁度良いと考えています。どのぐらいしっとり、もっちりさせるかというのは好みもありますので両方作って比べてみるのもいいですね。