独学パン屋の開業日誌

35歳で脱サラしてパン屋を開業しました。独学でパンを勉強し、自宅を改装して初期投資を極限まで抑え パン屋を一人で経営しています。

美味しいパンを作るために必要な材料の見極め方 その1

パンを作る技術も重要ですが、材料にこだわる事はもっと重要です。いくら技術があっても、良質な材料を使わなければ美味しいパンは作れません。最高級の材料を使えばもちろん美味しいパンが作れますが、採算が合わなくなります。材料の選定方法をお話ししたいと思います。

材料のピンキリを学ぶ

使いたい材料の値段の安い・普通・高い物をそれぞれ吟味しましょう。ものによってはそこまで「差」がない場合がありますが、自分が作りたいレベルに合わせて材料を選びます。ですが材料をいろんな店を回って集めるのは大変です。

自分は富澤商店を利用して一通りの材料を購入しました。取扱い商品の豊富さと、送料無料になる条件が緩いのが魅力です。↓

 

小麦粉

材料の部分で占める部分が一番大きいのでしっかり選定しましょう。自分がどのように小麦粉を選んだかというと富澤商店で最小単位で売られている小麦粉を全部購入しまた。主観ですが「安い粉=美味しくない」は合っていると思います。

しかし「値段が高い粉=美味しい」わけではありませんでした。それに当てはまるのが国産小麦だと感じました。どういう意味かと言うと国産小麦は人気があり値段もそれなりにします。ただ国産小麦という希少価値で値段が高くなっているのかな?と感じます。

話は変わりますがうどんの本場香川のさぬきうどんを食べたことがありますか?自分は何度が食べに行きましたが、どこのうどんより美味しいと思います。そこで主に使われている小麦粉は「オーストラリア産」なのです。

話を戻します。国産小麦粉はネームバリューは良いが粉の質と値段が合っていないと感じます。国産小麦を使うという選択もありますが、自分が納得できる粉は高すぎました。逆に外国産の小麦粉は値段が手ごろで美味しいものが多いです。自分は香りが強く水分が抜けづらいカナダ産の小麦粉を選びました。

感じ方や価値観は人それぞれですので一通り試してみて見極めて下さい。

 

水は水道水を浄水器でろ過したもので十分です。ミネラルウォーターなど試しましたがお金をかけるほどではありませんでした。ただし自家製酵母のハード系パンだけは違います。「小麦粉・水・塩・元種(酵母)・モルトエキス」と使用する材料が少なくそれぞれの材料の質でかなり左右されます。

そこで自分は「コントレックス」を使っています。そのまま使うのではなく、浄水で薄めて硬度を300まで落として使用しています。(コントレックス硬度:1468)そのまま使わない理由として・・・

  • パンの原価が高くなってしまう
  • 癖が強く悪い意味でパンの味に影響しすぎる
  • 硬度300で使用するとちょうど良い風味の向上を得られる
  • 硬度300で使用するとパンのまとまりが良くなる

硬度300の水を使うこともできますが、原価が高くなるため、硬度高めの水と浄水を混ぜることが最適です。

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ハード系のパンに関しては水にこだわれば見返りがあると思います。

 

これもピンキリあります。1kg50円で売られているただしょっぱい科学的な味の塩化ナトリウムだったり、ミネラルたっぷりの旨味・甘味も感じられる高級岩塩などありますよね。

ただ自分は自家製酵母のハード系パンを作るにあたって本場フランスの作り方に準じる方法で作りたいと考えています。そこで自分も使っている「ゲランドの塩」をオススメします。

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ミネラルが多量に含まれているので色も白くなくグレーかかっています。旨味・甘味も感じ美味しい塩です。ただし使用するに当たって注意点があります。まれに小さい固い粒が混入しているので水に溶かし、目の細かい網で漉してから使いましょう。

 

砂糖

砂糖はソフト系パンやカスタードクリーム等で使いますが、自分はグラニュー糖・上白糖・キビ砂糖・和三盆等を用途により使い分けています。

  • グラニュー糖:はっきりとした甘さ、シフォンケーキなど甘さを引き立てたいときに使います。
  • 上白糖:オールラウンダー。素材を生かす甘さです。
  • キビ砂糖:甘さ以外の旨味があります。
  • 和三盆等:甘さはあまり強くありません。上品なやさしい甘さにしたい時につかいます。

値段と好みで使い分けましょう。ブレンドしたり、甘さによって割合を変えてみたり、砂糖も色々な種類を試してみてもいいかもしれませんね

油脂

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油脂はソフト系パンで使いますが、見極める以前の問題で

バターしか考えられません

単純にマーガリン、ショートニングのパンとの味の違いは歴然です。(悪い部分は多々ありますが割愛します。)

バターはマーガリン、ショートニングの5倍ほど値段が高いですが、味・旨味・香り・等々得られるものは図り知れません。

 

まとめ

家庭用にパンを作るのでしたら、原材料がいくらかかっても美味しければ何も問題ありません。しかしこれを商売とみた場合問題となります。

以前にも話しましたが(人件費開業費)一般的なパン屋は原材料費以外にも家賃・光熱費・人件費・宣伝費など沢山お金がかかります。

その他費用が高いとどうしてもパンの原材料に費用をかけられません。

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自分のパン屋(独学パン屋)はその他経費を抑えているので、原材料費に沢山お金がかけられます。自分のパン屋は他の店より2~3倍は良い原材料を使っていると自負しています。美味しいパンを作りたい。これが自分がパン屋の根本にあります。美味しいパンと経費の関係を見極めて、良いバランスを見つけることが重要です。最良の材料を見極めるヒントになれば幸いです。