独学パン屋の開業日誌

35歳で脱サラしてパン屋を開業しました。独学でパンを勉強し、自宅を改装して初期投資を極限まで抑え パン屋を一人で経営しています。

パンのプロデュース会社って何をしてくれるの?

このブログをご覧になっている方は、パンに興味があったりパン屋を将来的に開きたいと考えているのではないでしょうか。自分も開業前は情報収集してきましたが、調べていくとパンをビジネスにしてお金を稼いでいる人々がいることに気づきます。

ビジネスとしてパンの開業や改装をするのは問題ありませんが、よく調べていくとそれ以上のサービスや提案があり、どうも納得できません。

開業や改装をしているプロデュース会社は契約すると200~300万円からはじまり、機械代や工事代等を含めると合計1300~1500万円ぐらいかかります。

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最初は自分も改装業者に話を聞いてみましたが、高額な金額にびっくりしたものです。パン屋を開くには1000~2000万円と聞いたこともあり、営業してからそれに見合う売上が出るのか、初期投資が回収できるのか疑問に思いました。

結局、自分で機械を選んで購入し、最低限の水道工事等を業者に依頼しただけだったので、開業費は170万円しかかかりませんでした。

確かに右も左もわからずにパン屋をはじめたい人にはプロデュース会社は最適な選択だと思います。捨てるほどお金があるならお願いした方がいいのではないでしょうか。

 

メリットデメリットをまとめてみました。会社によって条件は色々と違いますので一例です。

メリット

  • 素人でも研修を受けマニュアル通り作れば短時間でパンを作れるようになる
  • 商品を提案してくれるので自分で新商品のパンを考えなくていい
  • 何も考えないでパン屋を経営できる
  • その他難しいことはその会社に頼ればいいので楽

素人でも短時間でパンを作れるのは一見良いように見えますが、結局マニュアル通り作っているだけで応用が利かないんですよね。失敗してトライ&エラーを重ねれば、自信・技術が身に付き、美味しパンを作れる布石にもなります。

新商品を考えなくていいなんて夢のようですね。流行りのパンを考えてくれてそれをただ作るだけでいいのですから。ただ「流行り」はいずれ「廃れ」ます。廃れた後はどうするんでしょうか。パンを作る技術・商品提案力が身につかないまま時間が過ぎ、廃れるのを待つなんて怖すぎます。

「何も考えないで」というのは語弊があると思いますが、全部自分で経営していれば嫌でも新商品提案力・経営力など身に付き自分自身が成長していきます。ただ大金を払う形だけのオーナーには自分はなりたくありません。

何か問題があればそのプロデュース会社に相談すれば話を聞いてくれるでしょう。でもそれでいいのでしょうか?なにか行き詰ったら一生聞き続けるのでしょうか?違います。自分で考え解決策を模索しないと長期経営なんてできません。他人に相談することは大事ですが、最終責任者は「自分」です。

 

デメリット

  • 材料の仕入れを指定(指定先以外で購入してはいけない)
  • 機械はそこで用意したものを購入する(指定先以外で購入してはいけない) 
  • メニューを勝手に増やせない(増やすにはお金がかかる)
  • その会社の研修を受けなければ自分のパン屋なのにパンを作ってはいけない

このデメリットは開業後もオーナーを囲い込んでやろう!と思惑がありありと見えて恐ろしくなります。自分の店なのに自分の好きな機械・材料・商品を選べず、挙句の果てはパンを作る権利すら侵害してきます。

原材料・機械購入先を指定する理由は何でしょうか。仲介するということは何らかの手数料が発生しているからではないでしょうか。

自分ですべて選定すれば、使用したい材料を好きなだけ使えます。機械も自分に合ったサイズの物を使えます。他人が指定した道具ほど使いにくい物はありません。手数料も上乗せされずに購入できます。

 

まとめ

誰でも本を見て勉強したり、機械を探したり、材料を選んだりすることはできるので、丸投げするのは激しくオススメできません。自分にできる部分とできない部分を見極めて、自分にできない部分だけ業者に依頼するのが最適だと考えます。

時間がないけどお金に余裕がある、自分では何もできない、したくないという場合には丸投げした方が良いですが、初期費用が余裕で払える力がないと後で困ることになるので気を付けましょう。