独学パン屋の開業日誌

35歳で脱サラしてパン屋を開業しました。独学でパンを勉強し、自宅を改装して初期投資を極限まで抑え パン屋を一人で経営しています。

自宅でパン屋を開業するための保健所対応設備 その1

前回、自宅でパン屋を開業するために必要な許可証で話しましたが、書類を揃えることは比較的容易です。しかし書類が揃っても保健所が提示する店舗設備基準をクリアしなければ開業できません。今回は保健所の許可が下りる設備対策を話していきます。※都道府県によって基準は変わってきますが、この基本を抑えていれば大丈夫だと思います。

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当店は2世帯住宅だった建物の1階部分を店舗に使用しています。キッチン・トイレは1階と2階が別です。

 

1.売場と作業場が扉等で区分されていること、店舗と住居を完全に区分すること

よく街中のパン屋で売場と作業場の仕切りがない店舗を見かけます。実は見えないところに引戸、蛇腹のような扉が隠れているのです。簡易的な扉でもいいので用意しなければ営業許可は下りません。営業中に扉を開けているお店でも申請や立入り検査の時は閉めているのです。見栄えの観点からでも作業場が見える店は安心感が生まれます。上手く活用しましょう。

「店舗と住居を完全に区別すること」は店と居住スペースが一緒の建物内になければ関係ありません。当店は自宅内にお店を作ったため、1階がお店、2階は自宅として簡易的な扉ではなくしっかり閉まるドアで区分しています。居住と店舗スペースの混合を防ぐためです。

 

2.二層シンクと手洗い場

許可が下りるには作業場に2層シンクと手洗い場、最低でも合計3層必要です。これは1シンク×3ヶ所、2シンク+1シンク、3層シンクなど、指定されたサイズをクリアし指定シンク数を用意すれば大丈夫でした。

当店は2世帯住宅の1階部分を店舗に使用しているので、最初は1層シンクしかありませんでした。ここに2層シンクを買い足して合計3層シンクにしました。買い足した2層シンクの1つを手洗い場にして許可が下りたわけです。シンク1ヶ所でいいので、お湯が出る設備も必要です。

わざわざ高い手洗い場専用の設備を用意しなくても、3ヶ所シンクを用意して1か所を手洗い場とすればいいのです。そこで買足したのは「アズマ KP2-750」です。かなり安い投資で許可が下りたなと思います。

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感想(1件)

水道工事費用は10万円程かかりました。水回りの工事はお金がかかります。施工前に保健所にどこまでやらなければいけないのかよく相談してから施工しましょう。

事前準備をしないで適当に施工し、検査時に保健所から不備を指摘されれば再工事しなければなりません。そうすると開業時期もズレ込み余計な費用が発生する可能性があります。気を付けましょう。

 

3.トイレ・手洗い場の設置

当店はカウンター式販売でイートインスペースがありませんので、お客様はトイレを使用しません。しかしお店専用の衛生環境が行き届いているトイレは必要です。これは元々あるものを手直しせずそのまま使用しています。

トイレとセットで手洗い場も必要です。元々トイレの横に洗面所があるので、これを手洗い場として使用しています。一からトイレを用意する場合は地方自治体の指針にもよりますがトイレ室内に設置しても問題ないところもあります。

 

4.手洗い場に消毒液、ペーパータオル、爪ブラシを設置する

これは「作業場の手洗い場」「トイレの手洗い場」手洗い場全部に設置が必要です。消毒液を壁などに固定しなければならない地方自治体もあるみたいですが、当店の場合は消毒液を置くタイプで大丈夫でした。共通のタオルだと雑菌が繁殖するので使い捨てのペーパータオルを常時置いておきます。爪ブラシは作業前に手の洗浄で使います。綺麗になればいいので一般的な爪ブラシで大丈夫です。

 

その2 に続きます