独学パン屋の開業日誌

35歳で脱サラしてパン屋を開業しました。独学でパンを勉強し、自宅を改装して初期投資を極限まで抑え パン屋を一人で経営しています。

保健所から営業許可が出てからの立入検査対策とは

前回までの3つの記事で「自宅でパン屋を開業するための保健所対応設備」をお話ししました。無事に保健所の許可が下りれば開業できますが、開業した後も保健所との関わりとして立入検査や日々の点検項目があります。

 

立入検査とは?

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当地域では年1回保健所が店舗検査を行います。許可が下りた良い状態を保っているかチェックするためです。もし立入検査で不備が見つかると再検査もあります。酷い場合には営業停止になる可能性もありますのでしっかり対応しましょう。

当地域では2週間前にハガキで検査日時の連絡が届きます。当日に下記の書類を用意して責任者が必ず立ち会わなければいけません。

  • 食品営業許可書
  • 食品衛生責任者票
  • 自主管理記録簿
  • 検便結果成績書
  • 水質検査結果成績書

 

食品営業許可書・食品衛生管理者票

食品営業許可書は保健所の許可が下りると発行されます。営業許可を証明する書類ですので大切に取扱ましょう。 

食品衛生管理者票は

自宅でパン屋を開業するために必要な許可証(書類) - 独学パン屋の開業日誌

の「食品衛生責任者の資格を証明する書類の原本及び写し」で話しましたが講習を受ければ発行されます。この2点は常に店頭の見える場所に貼りだしておくことが必要です。

 

自主管理記録簿

「食品衛生自主管理点検表」と検索すれば点検項目や点検表の例が出てきます。従業員の有無等でも点検項目が変わりますので確認してみて下さい。

当店では下記の4点を毎日記録し検査時に提出しています。

  • 清掃記録
  • 冷蔵庫(冷凍庫)点検記録
  • 原材料の衛生管理
  • 事業者の健康・衛生管理

 

・清掃記録

一日一回トイレ・食料庫・販売場所・作業場の清掃や害虫駆除を記録した一覧表を保管し、それを保健所の検査時に提示しなければなりません。自分はエクセルで日々入力し、まとめて印刷したものを提出しています。

 

・冷蔵庫(冷凍庫)点検記録

 一日一回始業時の冷蔵庫温度をチェックすることと清掃時間を記録しています。これもエクセルでまとめて管理しています。

 

・原材料の衛生管理

材料の入荷時に仕入先・仕入日・消費期限・異物チェックをしてエクセルでまとめています。項目が多くて大変ですが、仕入日に確認してこまめに作成しましょう。

 

・事業者の健康・衛生管理

 事業者(自分)の健康チェックです。項目は下痢・嘔吐・発熱・手指の傷・爪・作業着です。すべて一人で行っているので気を引き締めてチェックしないといけません。(他人が見てくれないので)

 

検便結果成績書

当地域では保健所が安く検査を受付けていますので、自分は保健所で検査しています。費用は5種類(赤痢菌、サルモネラ属菌、腸チフス菌、パラチフス菌、腸管出血性大腸菌O157)を検査出来て1,290円+容器代50円。

自分はトイレを限界まで我慢し、当日容器を買って保健所のトイレで採取して提出しています。容器を買って帰宅→後日提出すると2回保健所に出向く必要があります。このやり方なら1日で済みますのでオススメです。うまくコントロールする必要がありますが。

検便は店舗に携わる従業員全員分提出しなければなりません。飲食店の検便は保健所で比較的安く検査できますので各地域の保健所に問い合わせましょう。

 

水質検査結果成績書

井戸水を使用している店舗は提出します。当店は井戸水を使用していないので提出不要でした。

 

まとめ

いざ許可が下りて営業を始めても、クリアしている基準を維持していかなければ、最悪、営業停止や許可取消になる可能性もあります。

特に一人で経営している場合は自分や店舗を客観的に見なければいけませんが、難しい場合もあります。自分は嫁に悪いところがないか毎日相談しています。一人では気付かないことが発見できるので第三者に意見を聞くことは重要だと考えます。

それと・・・

当地域では、平成30年度以降は「生ものを取扱う店」(食中毒の可能性の高い店)以外は2年に1回の検査になりました。ちょっと気が楽になりました。