独学パン屋の開業日誌

35歳で脱サラしてパン屋を開業しました。独学でパンを勉強し、自宅を改装して初期投資を極限まで抑え パン屋を一人で経営しています。

【自家製酵母】長持ちさせる酵母液の継ぎ足し方 夏場編

今回は以前の記事で書いた酵母液の作り方の続きで、酵母液の継ぎ足し方をお話ししていきます。継ぎ足しとは少なくなった酵母液を増やすことです。夏場ならではの注意しなければいけないポイントもあります。

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おさらいです

ガラス瓶は煮沸消毒します。粗熱がとれましたらレーズン、浄水を1:2の割合で入れ蓋をしてよく振ります。軽く蓋は開けておき28℃前後で72時間ほど放置。1日1回混ぜ、蓋を開け新鮮な空気を入れてあげてください。レーズンが浮き上がり軽く振ると泡が出ている状態で完成です。漉してレーズンを取り除き酵母液が完成です。

この酵母液の作り方は一番簡単な時期の「春、秋」を前提で書いています。常温に置いておけば腐らずに勝手に発酵してくれます。次に難しいのが冬ですね。ホイロが無ければ、温かい部屋に置いて高温を保たなければいけません。

実は最も難しいのは夏なのです。すべての温度管理にいえますが、上げるより下げる方が圧倒的に管理が難しいです。30℃を超えると腐敗する可能性も高くなり夏場は酵母の管理の難易度が格段に上がります。夏場は温度が下げられるドゥコンディショナーが無ければエアコンの効いている部屋に置いておくしかないのです。

以上が夏場の酵母の管理方法の注意事項です。その上で継ぎ足し方をお話しします。

 

継ぎ足し方と言っても色々な方法があります。代表的なものとして・・・

  1. 酵母液に水とレーズン入れて継ぐ
  2. 酵母液に果汁100%リンゴジュースを入れて継ぐ
  3. 酵母液に水と砂糖(糖分)を入れて継ぐ

1のレーズンを入れて継ぐ方法は一番酵母液の香りと風味が強く一番美味しいパンが焼けます。そのかわり一番手間と時間とお金がかかります。混ぜ合わせて28℃48時間前後で完成します。

2の果汁100%リンゴジュースは果汁の風味が生き、酵母の餌となる糖分も豊富なので管理もしやすく味も安定するので、一番オススメの方法です。オレンジ・グレープジュース等(リンゴ以外)は酵母液に色が付きやすくパン自体にも色が付いたり、果汁特有の酸味が強く出てしまうため、リンゴジュースが最適です。混ぜ合わせて28℃5時間前後で完成です。

3の水と砂糖はあまりオススメできません。酵母液が薄まって風味、香りが弱くなると思います。砂糖をハチミツなど風味が強い糖分に置き換えれば多少マシにはなります。混ぜ合わせて28℃5時間前後で完成です。

完成後は冷蔵庫で保存します。1日ほど寝かせれば酵母液の完成です。

 

当店は1と2の方法で継ぎ足しています。1のレーズンを使う方法だけだと、手間と時間がかかり原価が高くなり赤字になってしまいます。ですので風味が弱まらない程度に両方を使い分け継ぎ足しています。